イギリス人男性。例えば36歳男性、Mr Smithが座っています。
自己紹介が終わりました。
向こうからは話しかけてきません。
沈黙が続きます。
段々苦しくなってきます。
何かを言わなければ。。。。。。。。
ここで『どのように話を繋げていくか』
これが『英語で臨牀が出来るかどうか』の境目です。
ではそのヒントはどこにあるのでしょう??
実は簡単です。
答えは
「日々の臨床」
そのものです。
つまり、
「いつもやっていることをやる」
それだけなのです。
ということは、、、、
『いつもやっていることを英語で覚えなおせばいいだけ』
そうなのです。そう言ってしまうとみもふたもないのですが事実なので仕方ありません。
ではなぜ多くの人が「英語で臨床」ができないのでしょうか。
それは残念ながら現在の医学教育にも問題があるのです。
「医学英語」と「臨床医学」の『橋渡し』がないからです。
近年はその橋渡しに力を入れている大学や学校も多くなってきましたが、そのまま臨床で海外に行けるという能力にはほど遠いと言わざるをえません。
「acro-」が先端を意味する接頭語、「megaly」が「大きな・巨大な」を意味する接尾語。
なので「Acromegaly」は「先端巨大症・末端巨大症」
・・・・・・・・。
これで終わり。
というのが今までの医学英語教育でした。
本当に必要な臨床英語能力とは、患者さんに「先端巨大ってどういうことですか?」
と聞かれた時に、丁寧なわかりやすい英語で解説できる、というのが臨床英語能力なのです。
それを鍛えていきましょう。
「患者さんへの問いかけ」
さて、目の前の患者さん。
何から問いかけましょうか。
いつもどうしておられますか。
これは基本の臨床なので、いつも聞くことは同じです。
名前・年齢・職業などなどです。
では英語で聞いてみましょう。
まずは年齢から。
********************
今お年はお幾つですか?
Could you tell me your age?
How old are you? (初対面なのでもう少し丁寧にいいたいところです)
May I ask you your age and occupation?
Would you mind telling me how old you are now?
Can I start by asking your age and occupation?
********************
年齢と名前、職業を一緒に聞いても構わないかと思います。時間がある場合などには各々別のセンテンスで質問したほうが丁寧な印象を与えます。
職業の答えはどのようなものがあるでしょうか。
construction worker
teacher
administrative officer
telephone appointer
様々な答えが返ってきます。
つまりその返事がわかるかどうかは医学英語ではなく、「一般英語」の知識にかかっているのです。
construction workerが
********************
「Doctor, I fell off the scaffolding which has been unstable for many years!!」
********************
と訴えたとします。
落ちたのはわかるけど、どこから落ちたんだ?
まあ、落ちたことには変わりがないからいいか。。。。
では駄目です!!!!
なぜでしょうか。
上記を読んでもう一度考えて見てください。
そうです。
これは「労災」の可能性が極めて高い疾病ではなく労務災害の可能性があることを見抜かなければいけません。
Scaffolding;(建築現場の)足場
なので事故当時の様子を詳しく問診する必要が出てきます。
なぜでしょうか。
そうですね。『労災申請』の書類を後で記載しなければならないからです。
「足場が濡れていて不注意ですべったのか」
「そもそも足場組みが不安定で工場側の責任があったのか」
そのあたりの判断根拠として問診内容が重要性を帯びてくることを実感していただければよいかと思います。
それぐらい、たった『一語』を聞き逃しただけで臨床は変わってしまうことがあるのです。ですから『医学英語』だけをやっていても臨床英語は伸びません。
医学英語とは氷山の一角。その海の下に沈んでいる氷塊となる「基礎体力」を育成することも大切なことなのです。
ヒンドゥー教の神、ガネーシャのように大きな耳でたくさんのことに耳を傾けましょう。
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